エバンのコンセプト

2月9日。合同練習2回目の朝を迎えました。外はまだ暗いです。
青少年センターに早めに行って、音確認と譜読みをしようと思います。

さて、今回の練習には前々から参加して欲しいなと思っていた見学者の方が来てくれるようで、ワクワクしています。数人しかいなかった団体が、もうすぐ20人を超えそうな規模になってきています。ありがたいことです。人数が増えれば増えるほど、「エバンは何を目的に活動するか」「エバンが目指すことは何か」という団体としてのコンセプトを明確にすることが必要でしょう。今から書くことは、ほとんど代表の加藤さんの受け売りですが、考えていることをお知らせします。

エバンを設立した当初、私は他の合唱団の活動と同じように、「合唱祭に出て、コンクールに出て、定期演奏会をして、、」と考えていました。ある時、加藤さんが活動の多様性について話してくれました。地域のイベントや、駅構内、道の駅や病院・役所のロビーなど、ホール公演じゃなくても演奏出来る「場」がある、ということ。そのお導き通り、エバンは2011年、2012年と、様々な場で演奏をしてきました。
また、一年ごとに演奏する曲を全て入れ替えることをせずに、MCも含めた「レパートリー」を固めることで、同じレパートリーを様々な地域で演奏してきました。それらの経験から、「既存の合唱団体とは違う活路を目指していこう」、つまり、「地域にアウトリーチしていこう」、という方針が固まってきています。

*アウトリーチ・・・ホールで客を待つよりも、アーティストが市民の生活の場に積極的に入り込むことによって、芸術に関心のある層を飛躍的に増やそうという活動

また、エバンは団員選びについて、オーディションなどで落とすことなく、どんなメンバーでも参加してもらっています。それを知人に話すと、「レベルが落ちないか?」と聞かれましたが、私はそれについては全く心配していません。まず、私たちは「ハイレベルな、テクニカルな演奏を志向する団体」でないことをはっきりと申し上げたいです。もちろん、指揮者として上手な演奏をしたいとは思っています。でも、それが団体の一番の目標ではないです。
大切にしていることは、「合唱音楽活動をすることによって、世代を超えて、年齢を超えて、性別を超えて、価値観を超えて、バラバラな人々の心を動かし、人の心に火を灯し、人と人、地域と人を繋ぐ音楽の架け橋となること」を活動目的としていることです。だからこそ、その核となるエバン自体が「多様な人間の集まり」でなければいけません。仕事が忙しい人も、家事・育児が忙しい人も、また反対に情熱を持って活動したいと思っている人も、エバンで初めて合唱を始めた人も「歌い『続けたい』」と思ってもらうことが重要です(嬉しいのは「多様な人間の集まり」を志向しているからこそ、専門教育を受けたメンバーもまた参加してくれていることです。ありがとう)。

ちょっと、ズレますが、私は「権力者の語り」が嫌いです。立場の弱い人間を押しのけてしまうからです。私は、どんなメンバーでもフェアーに発言できる団体、末座の席にいる人間が遠慮なく発言できる団体を好みます。

前回の合同練習で「エバンはよく輪になる」と言われました。「輪になって座るとき、半分は共同体の一員として輪の中にあり、半分は個人として輪の外にいる。つまり、輪の内側に向いている半分は、共同体の一員として合意できる部分で、輪の外側の背中の方の半分は個人としてのじぶんなのだ」(『ワークショップ』中野民夫)。

どれだけ人数が増えても、一つの輪になって、活動を続けたい。
背中にある「個人」もまた大切にしながら・・・。
外が明るくなってきました。練習頑張ろう!

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(写真は2012年度の「ガレリアかめおかサンデープチコンサート」より)

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