指揮者のつぶやき

先輩方のワークショップを体験する

「形と音で楽しもう。」と
名付けられた8期生の方々によるワークショップは、
形(身体)と音(音楽)に関するプログラムで、
仕事で演劇をしつつ、合唱でも楽しんでいる私にとっては、
「今までで一番面白い!」と思える内容のワークショップでした。

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昨日は、大阪大学の豊中キャンパスで
ワークショップデザイナー育成プログラム8期生の方々による
ワークショップを受講しました。
(EVANの練習を休んですみません!)
私達は9期生なので、一期上の先輩方によるワークショップです。

まず、ワークショップの開始が印象的でした。

バラバラに散らばった8期生はそれぞれ
「トーンチャイム」という楽器を手に持っていて、
その楽器で伴奏をしながら、歩いて中央に集まり、
その伴奏に合わせてバイオリンがメロディを弾く、
というワクワクするオープニングでした。

その演出を見て、さっそく
「舞台表現の一つとしてエバンで使える!」
と思いましたが、昨日のワークショップには
マネしたくなるようなワークがてんこ盛りでした。

1「じゃんけんれっしゃ」
これはエバンでもしている「いもむしごろごろ」と同じです。
ただ、面白いなと思ったのは一列になった後に、
「じゃあ、そのまま円になりましょう」と言われたこと。
つまり、じゃんけんれっしゃでの遊びの終わりが、
そのまま次のワークへ繋がっているというデザインの仕方でした。

2「音送り」
円になって「音を隣の人に送る」というワーク。
手で叩いた音を隣の人に次々に回していき、
一周回って戻ってくるまで何秒かかかるか、を遊ぶゲーム。
一回目より2回目の方が上手になるので、
タイムは短くなるのは当たり前なのですが、
参加者はむちゃくちゃ盛り上がりました。

3「ブラインドアニマル」
2人一組になり、何の動物の声をするか2人で決める。
片方(A)は中央にあつまり、片方(B)は他の人と円を作る。
Aは目をつむりながら、鳴いているB(イヌとか猫とか)を探す。
これは『動物たちの対位法』の導入に使えるな、と思いました。

4「サウンドスケープ」
円になり、ウッドブロックに合わせて、右、左と体を揺らす。
そのリズムの中で、自由に手を叩く。
参加者の一人が真ん中に立ち、
例えば手を上にあげたら、叩く音を強く、
手を下に下げたら、叩く音を弱く。
手を地面に付けたら、終わり、というゲームでした。
これも、すぐ音楽ワークショップに取り入れられそうなゲームです。

5「手のひら催眠術」
片方(A)がどちらかの手のひらを出して、
もう片方(B)がその手のひらに自分の顔を近づける。
Aは周りの人やモノに気を付けながら、自由に手を動かして
Bは手のひらが動く方向に自分の顔を委ねる。

ここまでが、ウォーミングアップ(?)。
次からが、プログラムの中核に迫るワークでした。

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6「人間彫刻」
2人一組になり、
与えられたお題(木、花と花瓶)を
即興で、言葉を交えずに作るというワーク。
人数は3人一組、6人一組と増えていきます。
お題も「喜怒哀楽の『喜』」など抽象化していきます。

6人一組では「音」を彫刻にしました。
例えば「ピーポーピーポー」という
お題を受け取ったグループは
救急車に乗る人々のドラマのワンシーンを
カットして彫刻で表していました。

そういった、
「想像力を豊かにする」
「他の人たちと協力しながら創る」
というワークをした後に、
一枚の絵を「形」と「音」にする、
という最後のワークを行いました。

まず、人間彫刻でやったように
グループに与えられた絵を見て、
そこから浮かんでくるイマジネーションを元に、
身体で絵を「形」にします。

私たちに与えられた絵は↓

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後で教えてもらいましたが、
これはロシアの画家、
ヴィクトル・ハルトマンの「古城」だそうです。
ハルトマンの絵に触発されて、
作曲家のモデスト・ムソルグスキーは
組曲『展覧会の絵』を創作しています。

つまり、このワークは
ムソルグスキーが体験したであろう作曲のプロセスを
同じように体験できる、という
何とも面白いプログラムなのでした。

さて、ここまでが長い前置きなのですが、、。

グループで上の絵を見ていると
「城」「アジア系」「門番」みたいなキーワードが出てきたので、
私は以下のようなアイデアが浮かびました。

「スカーフなどを顔に巻いた王女様」(よっちゃん、ぴったり)
「その左右には風神雷神のような門番」(まろさんとつっちーぴったり!)
「お城なので、彫刻の構成はシンメトリーで」。

この絵を「音」にする、というワークでも、
「最初は風の音」(サンゴのウインドチャイム)
「王宮の中で静かにリズムが響く」(太鼓)
「そのリズムに乗せて全体のテーマを決めるような通奏低音が鳴る」(木琴)
「通奏低音に沿って、鳴り物が徐々に加わっていく」(鉄筋、打楽器類、)
「鳴り物の中、吟遊詩人の唄によって王女が踊る」(ホーミー)
「最後は静かに風の音が残る」(再びサンゴのウインドチャイム、だが高音)
という、アイデアがふつふつと浮かんできました。

問題は「どうやって合意形成を取るか」。

アイデアはあるが、押し付けてもいけないし、、、。
かといって、このアイデアを喋ってみたい気持ちもあるし、、、。

私たちの日常の世界では
「創る人」(作曲家)「作る人」(演奏家)、
「与える人」(先輩)「与えられる人」(後輩)みたいに
役割が固定していますが、ワークショップは
この固定された関係性をほぐす効果があります。

「いっしょに」創るために
主張すること、
おさえること
話し合うこと、
ゆずること、、、

本番では結局指揮までしてしまい、
「やってしまった!」という気持ちでいます。

なぜなら「参加者の自発性を大切にすること」を
学ぶために、ワークショップに来ているのに、
終わってみれば、自分がリードしてしまったからです。

でも、後でこのワークをファシリテートした
関西フィルハーモニー管弦楽団の「ふう」さんからは
「だいすけさんのおかげで、私も楽しめました」
というメールを頂き、
そうか「ふうさん」からしてみたら私は参加者で、
確かに参加者は自発的に音楽をしているなあ、と
腑に落ちたような、もやもやが残るような、
よくわからないような気分で夜道を帰りました。

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「ふうさん」からは「将来、一緒に何かできたら」
という嬉しいメッセージもいただき、
それだけでも、丸儲け!という一日でした。
ワークショップ後の交流会も楽しかったです。
きよまろ父さん、お昼、ごちそうさまでした!

このつぶやきを書き終えた朝の7:45、
窓の外から、鳥のさえずりが
静かに響いて聞こえてきます。
今日も一日頑張ろう!

2013年05月26日
カテゴリ:指揮者のつぶやき


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