【演劇】表現へのアプローチの多様性を育む

昨日は仕事が終わった後、
田中徹さんという方が指導されている
演技基礎講座の見学・体験に行ってきました。

私は、
児童青少年演劇を生業にする劇団で働いていて、
そこの発声や身体トレーニングなどの訓練を受けています。

3年目、4年目と時間を積み重ねるに連れて、
そこでのやり方をだんだん理解してきましたが、
一方で「他の方法論にも触れてみたい」という想いもあります。

なぜなら、表現へのアプローチは一つではないでしょうし、
同じ環境の中で、同じレッスンばかり受け続けていると、
そこでのやり方が「絶対正しい」と
思い込んでしまう危険性が生じるからです。

ですので、時間とお金に余裕がある時に、
日常とは違う方に出会って、その方法論に触れることや、
本を読んで、多様な考えやトレーニング方法を知りたいと常々思っています。

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田中徹さんの演技基礎講座は、
今後の活動の役に立つような要素がいくつかあり、
本当に勉強になりました。

最初に行った「拍手回し(?)」は
メンバー同士のアイコンタクトを促進する、
楽しいアイスブレイクでした。

テネシー・ウィリアムズ『ガラスの動物園』を一読した時は、
さっぱり内容が頭に入ってきませんでしたが、その後、先生から
「アマンダは何をしたいのか?」「トムは何をしたいのか?」
という問いかけを短い時間で必死に考えるうちに、
脚本に書かれていることをだんだん理解していく、
というプロセスを体験できました。

昨日、一番面白かったのは、
それらの登場人物の「やりたいこと」(行動)と
その場で行った「事件」を把握したうえで、
それを即興劇にする、という取り組みです。

そこでの(私なりに感じた)ポイントは
「台詞通りに話さなくていい」ことです。

アマンダやトムの「やりたいこと」を理解していれば、
基本的にどう動こうが、何を話そうが自由、
このルールは私にとって本当に新鮮でした。

普段は、
「セリフを明確に大きな声で話すこと」
「決められた行動線(舞台上でどう動くか)を守ること」
という制限の中で、仕事をしている私にとって、
劇を即興で自由に作ることが出来る、というのは喜びでした。

そして、ふと思いました。

「知らず知らずのうちに、
合唱でも『楽譜』に書かれていることを
追いかけるだけの練習をしていないか。。」

最初、渡された脚本をひととおり読んだときは、
内容が入ってこず、焦りのみが生じました。

でも、登場人物の心情や、
そこで起こったドラマを考え、
実際に身体を使って演じるうちに、
その焦りは喜びへと変化していきました。

多分、今の私の合唱の練習には、
上記のような要素が欠けていると思います。

音程やリズム、ハーモニーを整えるだけでなく、
楽譜に書かれている作曲者の世界観を体感できるような練習、、
そういう時間を、活動の中に取り入れていかねば、、

絢爛華麗な中之島の風景を横目に、
そんなことを考えながら帰りました。

田中徹先生、ありがとうございました。

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