【場】を委ねることと、問いかけについて

昨日はEVANの練習でした。3人の見学者「しみちゃん」「あっちゃん」「ぐっさん」がお越しくださいました。ありがとうございます。昨日は一歳になった「あやねちゃん」も練習に参加(?)していましたので、普段の練習とは進行する速さも雰囲気も少し違いましたが、でも、あれがエバンの全てでもあります。もし、ご自身の中に何か興味を感じて下さいましたら、また是非ともご参加下さい。エバンには入団届も退団届けも設けていないので、ご自由に。

さて、昨日はあやねちゃんの参加を事前に聞いていたので、前回の反省を活かして、今回は「椅子を出さない」ようにしました。椅子を出すと「上って落ちる」という危険があることと、大人とあやねちゃんとの目線に「高さ」が出てしまう、という理由です。椅子に座らずに、地べたに座ってもらうことで、あやねちゃんとの目線を近づけました。また、メンバーには部屋の四方八方に広がって座ってもらい、「あやねちゃんが自分の周囲に来たら、全体の進行とは関係なく、あやねちゃんを気にしても良い」というルールを設定しました。少しでも、お母さんの「こっちゃん」に気楽に過ごしてもらいたかったからです。

結果は、前回よりは成功したのでは、と私は思っています。もちろん、改善点は沢山ありますが、基本的に、あやねちゃんが練習に来たときは、エバンは彼女と共に歩もうという「選択」しています。「排除」しようとはしていません。「参加者の履歴を大切にする」(平田オリザ)。

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また、昨日は橋爪にとっては1か月ぶりの練習でした。お休みを頂いて、ワークショップデザイナー育成プログラムを受講していたので、その学びを昨日の練習に活かしたいな、と準備をしていました。

昨日の練習が今までと一番変わった点は、「こうして下さい」と指示するよりも「どう感じましたか?」と問いかけたことでした。指導者が前で「こうしろああしろ」と練習を進めて行くことは、確かに効率は良いです。結果も出やすいでしょう。しかし、その効率の過程の中で削ぎ落とされていくものは少なくありません。「問いかけ」は時間もかかりますし、指導者が引き出したいと思う答えを言ってくれないかもしれません。でも別に良いではないですか。指導者もまた未熟な人間でしょう。

問いから出てきた答えを大切にする。「どうでしたか?」「目をつぶってしまいがちです。」「じゃあ、鏡で自分の目を見ながら歌ってみましょう。」「どうでしたか。」「喉に力が入ってしまいます。」「じゃあ2回目は肩の力を抜いて歌ってみましょう。」これだけのやり取りでも、結構変わります。

考えてみれば、今まで自分はどれだけ【場】を委ねずに進行していたでしょうか。たとえば、昨日の最後の一時間はパートバランスが整っていなかったので「どうしよう?」と参加者に投げかけたところ、「さとぴょん」が「2声で歌える『手紙』をすれば?」と言ってくれました。なるほど、確かにその通り、と思って、さっそく練習したところ、集中力のある丁寧な演奏を聴くことが出来ました。この流れも問いかけから始まりました。

ワークショップデザイナー育成プログラムでは「ランダムをプログラミングする」という言葉を教えてもらいました。練習メニューは事前にしっかりと準備はするものの、その時の現場の様子によって柔軟に変化させる。その引き出しの多さを前に立つ者(ファシリテーター)は持つことが重要です。

7月13日の山科駅に向けて、また、山科中学校合唱部とのワークショップも楽しみにしながら、練習は少しずつ進んでいます。。。間に合うか!?笑

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