生まれて初めて吹奏楽の指揮をした話

「ハンガリーで勉強したい」
という想いのみで、
英語も流暢に話せませんし、
ピアノもスムーズに弾けない自分が、
単身で合唱指揮セミナーに参加して
(すまない、妻)、
現地で一番感じたことは
「やりたい!」という気持ちを
相手に伝えることの大切さでした。

「先生のクラスで勉強したい」
「この曲の指揮を教会で振りたい」

自分にそれができるかどうかはとにかく、
「やりたい、挑戦したい」という想いを持ち、
言葉にすることで、道が拓ける時がある。

例えば、ハンガリーで
クラスから落とされそうになった時に、
休憩時間に必死にピアノに向かうことによって
先生に少しだけ「努力」を評価してもらえた、
その時の経験や熱量は今も忘れずに自身の中にあります。

できるか、できないかは問題ではなく、
やりたいかどうか、やるのかやらないのか。

前回のつぶやきで、初めて中学生と一緒に
合唱の演奏をしたことは書きましたが、
まなみん(白石麻奈美) からもう一つ、
「第二部の合唱付き吹奏楽の指揮も振らないか?」
というお誘いも頂きました。

以前から吹奏楽の演奏を聴いては
「かっこいいなあ」「振ってみたいなあ」
と思っていた自分にとって、
このオファーは大変ありがたく、
ぜひ挑戦させて頂きたい、とお答えしました。

数日後、まなみんの紹介で
主催者の釜田美雪さんとお会いしました。

大変好意的に接して下さり、
「吹奏楽と合唱の調和を取る」ために、
この初めての挑戦を快く了承して下さいました。

釜田さんは本当に素晴らしいお方で、
美しいエネルギーに溢れていらっしゃいました。

本番の前日が最初で最後のリハーサルです。

その日に初めて総譜を頂きましたが、
実際に譜面台に置き、
指揮する位置に立って見ると、
「・・・やばい、音符が小さすぎて見えない(汗)」
という状態。

「うむ。楽譜を見てても仕方がない、
よし、出てくる音を聴いて振ってみよう」
と思い、演奏に合わせて腕を動かしていると、
ritをすっ飛ばすという、
もう笑ってしまう状況になりました。

(ちょっとズレますが、
吹奏楽の方々の前に立っていると、
合唱の時には感じない「何か」が妙に気になります。。
ハッと、ホルンの方を見ると楽器を吹かれていません。
これは当たり前の話で、休符の時に休まれているからです。
合唱の場合、演奏が始まると最後までみんな一緒!
みたいな密着感というか統一感があるので、
この「吹いている人もいれば吹いていない人もいる」
という雰囲気は、自分にとって斬新でした。
前に立っている者からすると
「こっちに戻って来て〜!」
みたいな気持ちになります^_^;
いや、もちろん集中されているのですが、
その形式に慣れていない自分にとっては、
まずはそれ自体が新鮮だったのです。)

さて、
リハーサルで見事にノックアウトした夜、
足早に家に帰り、
とにかく楽譜に向かい、
音量記号に色をつけて、
速度記号に赤丸をしました。
youtubeで参考音源を聴いて、
イメージを膨らませました。

合唱の楽譜だと、上からソプラノ、アルト、
と書かれているので、だいたい分かるのですが、
吹奏楽のスコアはどこに何がかかれているのか、
そしてその楽器が実際に何処に配置されているのか、
それすらさっぱりな状態でした(とほほ)。

ですので、皆さんに失礼して、
お顔と楽器を写真に撮らせて頂き、
深夜に黙々と暗記しました。

当日のリハーサルを終えて、
一部での合唱部との演奏も終わり、
あとはもう本番で演奏するのみです。

吹奏楽団はプロの方々が
チャリティーコンサートのために集まった
素晴らしいアンサンブルです。

もうやるのみ!
自分だって4年間、
舞台俳優として
現場に立ち続けてきたプロやないか!

吹奏楽の指揮は初めてやけど、
役者として「指揮者」を演じることは出来る!

そんな感じで一人コソコソと盛り上がり、
本当に楽しい舞台を皆さんと一緒に作ることが出来ました。
吹奏楽は音圧が凄いので、
本当に久しぶりに「思いっ切り」 指揮をさせて頂きました。
合唱隊とのコミュニケーションでは、
ソプラノの倉本さんにお世話になりました。
ありがとうございました。

本番後、主催者の釜田さんからは
「熱い指揮、良かった」という言葉を頂いたので、
ひとまず安心しております。

未熟な自分に有難い経験を与えてくださった、
アンサンブルメリメロの皆様、
釜田さん、そしてまなみん、
本当にありがとうございました。

やの(ぱん)さんの吹く、
オーボエが格別美しかった!

次回は、2014/12/25に
ピッコロシアター小ホールで
開催されます。

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第二部 合同ステージ

『しあわせ運べるように』
作詞・作曲 臼井真
『あすという日が』
作詞 山本櫻子 作曲 八木澤教司
『花は咲く』
作詞 岩井俊二 作曲 菅野よう子
『ふるさと』
作詞 高野辰之 作曲 岡野貞一

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