現代作曲家のマリー・シェーファーの本を
読んでいましたら、「耳で見る」という
言葉に出会いました。
例えば、新聞紙がパラパラめくれる音が
聴こえたら、「誰かが新聞を読んでいるんだ」
という想像が働きます。
シェーファーは言います。
「自らは音をたてずに静かに聴く人々には、
多くの音が聞き取れるようになってくる」
(『サウンド・エデュケーション』春秋社)
音を聴く時に大切なのは
「自分は音を立てないこと」のようです。
試しに、私も時間が空いた時に
耳を澄ましていると、
「コホコホ」と咳をする音が聴こえてきます。
「あ、この人調子が悪いのかな」と察することが出来ます。
「ハーっ」とため息が聴こえてきます。
「この人、元気ないのかな」と察することが出来ます。
(悪いことばかりですね。^^;)
車の流れる連続的な音の隙間から、
小鳥のさえずりが聴こえてくる時があります。
子ども達の話し声と共に、
下校する足音が聴こえます。
ビューッと吹く風と共に、
木の葉がサラサラと擦れる音がします。
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歌声を聴く人間として、
日常の音にも、少しでも敏感になれたら、
と思っているのでした。