直木賞を受賞した話題の本、
朝井リョウさんの『何者』を読みました。
一日で読み切れるほど、面白かったです。
「シューカツ」を巡る5人の大学生の物語で、
読んでいて痛切というか、切実というか、、
「痛いなあ」という気持ちと、
「わかるわかる」という気持ちでした。
「何も形になっていない時点で
自分の努力だけアピールしている場合ではない。」
「ほんとうにたいせつなことは、
ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、
どこにも書かない。
ほんとうに訴えたいことは、
そんなところで発信して返信をもらって、
それで満足するようなことではない。」
「十点でも二十点でもいいから、
自分の中から出しなよ。
自分の中から出さないと、
点数さえつかないんだから。」
過程と結果のこと。
幼稚でも、不完全でもいいから、
形にしていくことの大切さ。
人間関係のこと。
ネット上の創られた「顔」の奥にある、
向かい合った時にだけ感じるもの。
それに対する想像力。
それらについて感じさせてくれる小説でした。