おはようございます。
仕事に行く前に書いています。
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昨日は尼崎市の劇場で中学生に演劇を見てもらいました。
劇場の搬入口は9時に開くことが多いので、
運び入れる大道具・小道具を準備万端、
整えて、搬入口の前でスタンバイします。
すると、シャッターが開き、
劇場のスタッフの人達とシャッター越しに対面します。
その時、なんだか「勝負!」という気持ちになりました。
別に、喧嘩するわけではありません。
でも、劇団側の「さあ行くぞ!」という気迫は、
劇場にきっと伝わると思います。
嵐のような舞台設営が終わり、
定例で行うリハーサルを終えると、
本番まで残り一時間ぐらいになります。
その残った時間で、
声の調子はいつもどおりか、
身体は動くか、
「ハコ」(劇場のこと)はどれぐらい反響するか、
などを、チェックして、
そして、メイクに向かいます。
ここでは自分自身との「勝負!」という気持ちです。
本番前、袖で待機して、自分の出番を待ちます。
ゆっくり呼吸をして、いざ、「イタ」(舞台)の上へ。
本番は客席との「勝負!」です。
演じる側は、舞台で演技を進めながら、
「よし、集中してくれている」
「お、笑うべきポイントで笑ったぞ」
と、客席を感じます。
役者は「第一声で全てがわかる」、と言われています。
(むしろ、「イタの上に立っただけで裸になる」とも)
力のある役者の演技は、
一瞬にして客席を集中させます。
もちろんその逆もあり、
スキのある役者の演技は、
客席の集中力をジワジワと散漫にさせていきます。
もちろん、舞台が成功するかどうかは
演出や脚本の力は大きいですが、
役者に与えられた台詞、場面を、
求められる品質で客席に届けられるかどうかは、
周りは関係なく、役者の責任です。
目線を泳がせることなく、
客席の暗闇と対面して、
腹から声を出すと、
きっとお客さんは見てくれます。
本番後、「バラシ」(後片付け)をして、
外に出ると、春一番が吹いているのを感じ、
清々しい気持ちで、事務所に帰りました。
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さて、日曜日がやってきます。
長岡京での本番です。
久しぶりのホールでの演奏になります。
実際に歌う会場で少しでもリハーサルが出来れば、
状況はだいぶ違ってくるのですが、
なんにせよ、リハ無しの一発勝負です。
声の反響具合、
指揮者や隣のメンバーとの距離感、
照明の眩しさ、客席の暗闇、
そんな要素に気をとられているうちに、
あっという間に、出番は終わってしまいます。
ここで、なんやかんや書いても
しゃーない、のですが、
とにかく、
ホールとの「勝負!」
客席との「勝負!」
そして、自分自身との
「勝負!」、です。