私がEVANで育もうとしている力

Ensemble EVANの練習は月に2回程度です。

「練習」というからには、
何かを向上させないといけないのですが、
2週間前に練習したことは、だいたい皆さん忘れています。。

昔は、「もっと練習して欲しい!」と
一人、騒いでいるときもありましたが、
今は、気持ちは以前とは少し違っています。

まず、
「悪い合唱団はいない、悪い指揮者がいるだけだ」
という考えを前提に持ち、
合唱団に技術の向上を求めるのではなく、
指揮者である私自身が研鑽を積むことで、
結果的に、合唱団が良くなる、と考えるようになりました。

向かい合う合唱団は名前こそ同じですが、状況は毎回違います。

メンバーが前回と同じ、という環境はほぼありえませんし、
同じだったとしても、その日、その日で、個々人の内面は微妙に違います。

(これは営業をしているとよくわかります。
訪問したお客さんが、以前はニコやかだったのに、
今回は機嫌が悪い、ということはままあります。)

ですので、毎回変わる合唱団に「頼る」(?)のではなく、
「合唱団がどんな状態でも、良い方向に向けよう!」
と思うようになりました。

今でもアホやなあと思っているのは、
そんな毎回変化する合唱団に対して
「前回と音が違う!」と叱責してしまっていたことです。

練習が2週間に一回の合唱団にとって、
音が違うことは当たり前でしょう。
歌う気持ちを整えて、音を整えていく過程こそ、
指揮者の大切な役割の一つだと、
EVANの活動を続けることで気が付きました。

練習がなるべく独りよがりにならないように気を付ける。

まず、一人一人の声をよく聴こうと努力しました。
本来、自分の声を周囲に聴いてもらうことは嬉しいものです。
「上手に歌おう、なんて思わなくていいから、
今のあなたの声を聴かせてください」というメッセージを送りながら、
一人一人の声を聴き、その人の現状を掴もうと心がけています。

全体練習でも、「今日はここまで進める」というような
「学習指導案」的な練習はしていません。
場合によっては、全く進展の無かった回もあります。
まあ、仕事ではないのだから、楽しくやりましょう、という気持ちです。
でも、時には合唱団が「おっ!」と驚くほど集中している瞬間があって、
その時は、ここぞとばかりに掘り下げた練習をします。

常に、練習は一期一会、最初で最後。

冒頭に「『練習』というからには、
何かを向上させないといけない」と書きましたが、
向上しているものがあるとすれば、
それは
「つながる力」
「見守る力」
「さらけ出す力」
「認め合う力」といった
【一人では向上することが出来ない力】
(アンサンブル力?)でしょう。

自主トレーニングは一人でも出来ます(出来るよ、やってね。笑)
だから、メンバーが集いあう練習では、
仲間、他者がいなければ伸びない上記の力について、
ある意味では技術の向上以上に時間をかけて、
私はEVANで育もうとしております。

(まずは私自身がそれらの力を身に付けるべく、
今年度は大阪大学の「ワークショップデザイナー
育成プログラム」に参加することが決定致しました。)

evan

さあ、7時。仕事頑張ろう!

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