指揮者の役割について考え続ける

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アンサンブルエバンの練習は月に2回程度です。

それを多いと感じる人もいれば、
適切だと感じる人もいますし、
少ないと感じる人もいるでしょう。

私自身としては、
技術的なクオリティを維持するためにも、
もう少し練習回数を増やしたいな、
とは思っていますが、
しかし、月2回だからこそ追求できる
練習スタイルや、団運営の在り方も、
またあるなあ、と気づいてきました。

例えば、
これは以前のつぶやきに書きましたが、
(「私がEVANで育もうとしている力」)
私が最近重視しているのは、
「つながる力」「見守る力」
「さらけ出す力」「認め合う力」といった
【一人では向上することが出来ない力】です。

練習をどうやって組み立てていくかによって、
メンバーとメンバーが繋がり合うこともあれば、
そうでない場合もあります。

毎回、練習前に出席表を見て、
参加するメンバーの顔ぶれを思い浮かべながら、
そのメンバーで出来る練習メニューを準備します。

また、見学者がいる場合は、その前にもうワンクッション、
アイスブレイクのための時間も取るように段取りします。

しかし、実際は遅刻してくる方もいらっしゃいますし、
当日、体調が悪くなって欠席する方もいらっしゃいます。
出席していても、なんだか普段と様子が違う方もいらっしゃいます。

なので、現場では、どんどんどんどん
練習内容はその時の様子によって変化していきます。

それで失敗することもありますし、
満足した回もあります。

そうやって、トライ&エラーを繰り返しながら、
私もまた、エバンのおかげで成長させてもらっています。

さて、昨日は練習日でした。
まず、初めに「ぐるぐる発声練習」を導入しました。

発声練習は誰か一人の指導者が『未熟な』メンバーに教え導く、
というスタイルが一般的だと思いますが、
私の考案(?)した「ぐるぐる発声練習」は、
メンバーが円になり、一人が一つの発声メニューをした後、
隣の人にその練習の続きをパスしていきます。

そうやって、どんどん発声練習をぐるぐる回していくこと、
それが「ぐるぐる発声」です。

これは茂木健一郎さんが話している、
『ソーシャルセンシティビティ』を根拠にしています。

茂木さんは「一人の人の能力で全てをやるよりも、
組み合わせが今の時代のトレンド」と話します。

「グループの能力を発揮するための条件は、
グループの平均IQとの相関ではなく、
グループの最高のIQを持つ人との相関でもなく、
一番相関があったのが『ソーシャルセンシティビティ』。
グループメンバーの感情をどれぐらい推し量ることが出来るか。
具体的に言うと、会議の時に一人の人がずっと喋っているのではなくて、
turn taking、会話のやり取りがあるかどうか。」
「茂木健一郎氏 知性とは何か」youtubeより

発声をぐるぐる回すことにより、
普段は常に受ける側だったメンバーも、
自分が全体に発声をするなら何をしようか、
と考える側、教える側に回ります。

人間はどのようにして学ぶか、という問いに対して、
「見る、聞く」よりも、
「体験する、教える」という行為の方が、
より深く学ぶ、という発表もされています。
(『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』PHP新書)

また、ぐるぐる発声練習を行うことによって、
「この人は、今、何を考えているのか」が
間接的にも伝わってきます。

(例えば、
昨日はハンドサインを行った「さわっち」が、
熱い!方だと橋爪は改めて思いました。)

  • メンバーの感想

    ♪今日の練習は、橋爪くんが言う
    「一人一人が積極的で効率の上がる」練習やったと思う。
    最初の発声から一貫してその工夫が見られたからかな?

    ♪パートリーダー時代から発声の知識が乏しかったので、
    今日さらに落ちてましたので、
    みなさまにご迷惑をかけてしまいました・・・。
    大学の時の発声のノートを出してきて、又勉強しようと思います。

    ♪発声練習をまわすのはドキドキするし
    自分のアイデアのなさを痛感したけど
    色んな発声練習ができて楽しかったし
    自分自身も考えたり、
    学ぶ良い機会になると思いました。

  • 「ぐるぐる発声練習」の後は、
    わらべうたの「からす からす どごさいぐ」を歌いました。

    これはハンガリーに行った影響が大きいです。
    私は今年の8月にハンガリーのセゲドへ、
    合唱指揮の勉強をしに行きましたが、
    そのセミナーには「コダーイシステム」を勉強され、
    実際に実践されている日本の方々が他にもいらっしゃいました。

    その時に、「だいすけくん、
    絶対にわらべうたをした方が良いよ」
    とアドバイスをして頂いていたので、
    エバンでも練習の導入部分で使えたらな、
    と思ったのです。

    「からす からす」を歌う理由は現時点で2つあります。

    一つは独りずつ歌ってもらうことによって、
    その人の声やその日の状況を、他のメンバーに知ってもらうため。

    (一人が歌った後は、その隣の人がアドバイスを良い、
    アドバイスを言った人が今度は歌う、という
    これまた『ソーシャルセンシティティビティ』を活用)

    また、「からす」を2声一パート一人で歌うことにより、
    ハーモニーの訓練をするためでもあります。

  • メンバーの感想

    ♪一人で歌う機会が多かったので自分の課題がはっきりしたと同時に、
    他の人の声が存分に聞けて楽しかった。
    個人的には、まぶちゃん、こずえさん、たのっちの音色が似ていて凄く感動しました。

    ♪少人数の方が楽しいなあと思いました。
    各パート一人の練習は良かったと思います。
    やる方も聞く方も練習になる。

    ♪一人一人で歌う中で、自分が思っている以上に周りに頼っていると感じた。
    また、一瞬でもためらいや迷いがあれば
    リズムがおかしくなったり和音の鳴り方が変わったりするとも感じた。

    ♪なごやかな雰囲気で良かったです。
    一人一パートでうたうと自分の課題が良く見えるな、と感じました。
    あとは一人一人の声も聴けるし、良い機会でした。
    アルト3人でとても落ち着きました。
    安心して歌える感じでした。
    カラスのやつ歌った時、こずえちゃんとすごく歌いやすかった!
    楽しかったです、満足!

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    その後は来週のいくのこもれび保育園の本番に向けて、
    演奏する曲の練習をしました。

    前回のアンケートの中に
    「楽譜に書かれていることをもっと忠実に歌いたい」
    という声が書かれていたので、
    その要望通り、忠実に演奏するようにしました。

    といっても、私が行ったのは、
    「アンケートに『忠実に歌いたい』とあったので、
    この箇所を忠実に歌ってください」
    という言葉がけだけです。

    それでも、メンバーは本当に集中して、
    楽譜通り歌うことを心掛けてくれていました。

    これがあるから、
    指揮者は本当にやりがいのある役割だと、
    満足しながら、帰路に着いたのでした。

  • メンバーの感想

    ♪ちょっと曲に入りこんだ練習ができたので満足です。
    次回も宜しくお願いします。

    ♪来週の本番が楽しみかつ不安です。
    子どもがもっと聴きたい!
    と思ってくれるようなものを期待しています。
    作り上げましょう!

    ♪「赤とんぼ」よかったよー。
    マンネリせず、いろいろ挑戦ができました。
    それにしてもみんなええ声やわー!

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